2013年3月23日土曜日

チャンスボールのボレーは決めるな

ボレーのミス、とくにハイボレーのミスは痛恨の極みだ。

ダブルスでエースをとるのは、相手のミスがらみで甘いボールが来た時のボレーか、スマッシュが一番多いように思う。一方で一番目立つ痛いミスもハイボレーのミスではないだろうか。本来はポイントが取れたものを相手のポイントにしてしまう、この悔しさというか、情けなさ、とパートナーへの申し訳なさは、テニスをやっている人であれば相当数多く経験しているはずだ。

「ボレー」はバウンドする前に打つことを言うのであるが、当然、ストロークより打つ準備の時間が短い。それだけ素早い動きが必要になるが、一方でバウンド前のボールの勢いを利用できるので、動きは小さくて良いし、ハイボレーの場合ネットより上から叩けるので技術的にも優しい部類だ。ただ時間が少ないということは、その分メンタルのコントロールが難しい。「慌てる」、「焦る」ことがストロークに比べ多いのではないか。

それに加えて、「決める」プレッシャーだ。フワッと上がったボールが上がって返ってきたとき、

「これは、繋ぐように返すわけには行けない」とか、
サンプラスのハイボレー
「このチャンスを逃すと、次は自分たちのピンチになるかも」とか、
「決めないと、パートナーをがっかりさせてしまう」とか、
一瞬のうちに、自分にプレッシャーを掛けてしまう。

時間のない中、そんなプレッシャーも加わって、強いボールを打とうと、体に余計な力が入ってしまい、スイングが微妙に狂って、アウトしてしまう。
これがハイボレーミスの典型的なパターンではなかろうか。

じゃあどうするか、トッププロだってミスするので、簡単な解決策などあるはずがない。強いて言えば冷静になること。とくに、こんなチャンスボールが来たときは、「決める」のではなく「狙う」ことを考えるようにしている。狙い通りにボールが飛んで行って初めてポイントになるのだから。

チャンスボールは決めるのではなく、狙うのだ。

こうすればパートナーが、引きつらせた笑顔で、「ド、ドンマイ」という機会も減るのではないかと思っている