2013年3月18日月曜日

プロネーション


いきなり、技術的に難易度が高いテーマで書いてみます。

フェデラーのサーブのインパクトの直後
インパクト面が外を向いている
テニスの勝敗には、サーブの良し悪しが50%ぐらいを占めてるのではと私は思っている。
それだけ重要なストロ-クだし、一人でも練習できるので、テニスを始めた時から、サーブには最も、情報収集の時間を費やし、練習に気を使ってきた。

いろいろ情報を漁っていると、かならず「回内」「プロネーション」という言葉がでてくる。イラストやプロ選手の写真などでそれは解説されているが、真似ようとしてもなかなか自分の中でしっくりとしなかった(回内の動き)。それらしく、肘を軸に、手の平を自分の方から前に向ける動作をやってみるものの、「こうじゃないはず」と、違和感が拭えなかった。


そんなに成功率が高くなくてもいいのだ。100回に1回でもいいので、プロネーションが効果的なサーブを打って、「ああ、この感触だな」というのが得られれば、その再現率を高めていけばいいのだが、正しい(と感じられる)形をつかめないまま、長い間悩んできた。

でんでん太鼓
プロネーションとは別な表現をすれば、「でんでん太鼓」のように、ラケット面がグリープを軸にして回転する力を利用するために行う動作だ(と思っている)。あのでんでん太鼓を叩くときの動作で、ボールを思った方向に飛ばすなんて、ありえないくらい難しい。そう思いつつも、それがサーブの動作として必要とあるので、習得しようと足掻いてきた。

パンといきよい良くあたって、フラットサーブのような打球ではあるものの極端に右に飛んでゆくし、全く回転はかからないので、「どうも違う感」が否めない。よくプロ選手のインパクト後のような、肘が高い位置で90度に曲がっているようなフォームにまったく近づかない(これはどちらかというと「内旋」だが)。


ところがである。最近スピンサーブの真似事をしている中でなんとなくわかってきたのである。ひねることを意識しすぎているのだ。確かに肘を軸にしてうでをひねる動作ではあるが、でんでん太鼓ほど極端である必要はないのだ。

よく「サーブはラケットの振る方向と、ボールの飛ぶ方向が違う」といわれる。プロネーションはその延長線上に行われるべき動作なのだ。というかその延長線上にあると考えてやるとしっくりする。

サーブを打つ方向を向いて立ったとしよう。これに対しサーブを打つときのラケットの動きは極端に言うと大きく「バイバイ」をするような動き、ラケット面が打つ方向を維持したまま、左下から時計回りに大きく回るような動きであるはずだ。
それじゃあ、ボールは前に飛ばないよと思うかもしれない。確かに実際は「バイバイ」よりも若干ラケットは前にも少しだけ移動している。ボールの推進力それだけで十分で、だから意識としては「バイバイ」とほぼ同等と思ってラケッットを振ればいい(特にスピンサーブはそんな意識で打つはず。)。

で、プロネーションはこの「ラケット面が打つ方向を維持」するために行う動作という意識でいればいい。もう少し詳しく言うと、コンチネンタルもしくは、それに近い薄いグリップで、ラケットを正面を向けたままバイバイのように回転させた最後の最後、インパクトの直後にあくまで腕の自然の動きの流れで、手のひらがほんのすこしだけ、内側ではなく、外側を向くようにするのだひねりで打つ意識は必要ない。

この感覚で打つと、いままでのサーブとは違ったインパクト感が得られる。そんなに力を入れていないのにボールの勢いと、回転がかかっている手応えを感じることができるのだ。

なんとなく、腕の使い方はわかってきた。あとはこの再現率の向上(時々、手のひらが内側を向いて力のない打球になる)と、スピード、回転を高めてゆけばいい、ひたすら「打つべし」。